今日は、仕事でもない話をしようと思います。
先週末、たまたま応募で当たったコンサートに 実家の母と行こうと思って誘ったら、次の日から旅行行くからごめんね~と断られまして、さてどうしたものか…と考え、そうだ、父を誘おうとなったわけで。
当たったコンサートとは、岡田文化財団主催の 由紀さおりさんのコンサートだったのです。由紀さおりさんを知る年代でないと楽しめないだろうな~と思って、70代の父と私で行くことになりました。
16:30からの公演なので、15:00ごろ実家に迎えに行くと 新調したスラックスといつも見ないカジュアルめな靴ををはいた父が待っていました。笑
じゃあよろしく、と助手席に座る父。会場までのナビは父にお任せである。
私と父は、別に仲が特別良いわけでもなく、悪くもない、いたって普通ではあるが、今まで私が特に苦労することもなく社会に出してくれた、そして無口ながらもいつも見守ってくれている大きな存在である。そんな父と急に行くことになったコンサート。その後ご飯も食べようってなってなかなかこんな事ないだろうな~と 車の中では他愛無い話をして会場に着きました。
由紀さおりさんのコンサートは、やはり日本を代表する歌手でもある素晴らしい歌声でした。歌謡曲、ポップス、ジャズ、三味線の弾き語りなど、年齢を感じさせない歌唱力…。終わってから父と『たまにはああいうプロの本物の芸、歌を実際に見たり聴いたりしやなあかんな』とご満悦の様子(^^♪
その後、予約しておいた居酒屋で夕食を頂きました。
私は、特に父にこれと言って話があった訳じゃなかったけれど、この先こうやって父が元気で今日と同じように二人で出かけることって、ひょっとしたらもう無いかもしれないな…と思って父に聞いてみました。
『お父さんさ、お母さんと結婚して良かったって思った事は、なに?』
一瞬考えて、父はこう答えてくれました。
『一回も、出てくと言わんと家におってくれた事かなぁ。』
私は、正直びっくりしました。居てくれていたことが、一番だったなんて。聞けば、私の知らない話が次々に出てきて、もしかしたら自営の仕事を続けられないかもしれない、なんて事が過去にあったそうです。私の知らない苦労を、父はもう終わったことやで ええんやけど あの時はほんとにしんどかったわ、と語ってくれました。そんな苦労も母は文句一つ言わず付いてきてくれたことが、父にとっての一番だったと。会社員ではなく自営業で今まで大変なこともあったけれど、自分の好きなことをやってこれたんだから、もういつ死んでもええわ笑 だって。
70年、人生過ぎてみればあっという間やけど、できることなら40過ぎたら自分にとっての師匠を見つけるといいぞ、と父。親、家族とは違う、自分に真正面から向き合ってくれる人がいると、また自分は成長できると。本気で自分を褒めてくれ、叱ってくれる人。父にはある書道家さんと出会ってとても感謝していると言っていました。今はもう叶わないですが、その書道家さんと一緒に行った神社には、今でも心の拠り所としてふいに一人で出かけることもあるそうです。
多分、今までこんなに父と色んな深い話をしたことは無かったので、今回一緒に出かけれて良かったなぁと思いました。生きていることが、親孝行なのかなぁ。自分ばかりが苦しい、辛い、誰かを蔑みたい、そう思って生きるより、辛くても 相手を赦す気持ち。 恨まず、生きるほうが 自然と良い人が周りに集まるんやでって 父は話してくれました。
この先、また二人で出かけて その時はまたどんな人生か 語りたいなと思った娘でした。
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